コラム
column
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2015.06.01
【性病の基礎知識】本当は怖い「淋病」について
性感染症「SDT」として世界で猛威を振るっている病気に「淋病」があります。
「淋病」の原因菌は「Neisseria gonorrhoeae」と言い、男女に共通して非常にリスクの高い性病です。主に尿道、口腔、咽頭、目、肛門部位で繁殖し、性交渉の際の皮膚接触を通して感染します。
性器と口腔の触れ合いでも容易に感染しますので、リスクの高い交渉相手である場合には感染を避けるのは難しいでしょう。感染した方が女性の場合、さらに子宮、子宮頸管、卵管などの骨盤内へと感染が進行し、不妊症などにつながる可能性が高くなります。
男性の場合も精巣上体炎を引き起こし、男性不妊の原因となる例が少なくありません。「淋病」の症状とその後の影響
■淋病の症状
・男女共通
性器からの分泌物増加
肛門のかゆみや痛み、出血
便通時の痛み
咽頭感染が起きた場合の咽頭痛
・男性の場合
排尿時の痛み
ペニスからの分泌物増加と変化
睾丸の痛みと腫れ
・女性の場合
排尿時の熱感を伴う痛み
膣の分泌物増加
不正規出血
自覚されない組織破壊自覚しやすい症状として大きなものを上にリストしましたが、女性の場合は一般に症状が緩やかに訪れるため自覚は難しいでしょう。
男性の場合は分泌物の色にも、白、黄、緑などの色味の変化があり、大量に出るようになるためにほとんどの方が違和感を覚えるはずです。■淋病の影響
・男女共通
血液や関節に至る感染の浸潤
・男性の場合
痛みを伴う精巣上体炎
造精機能障害
男性不妊
・女性の場合
骨盤内膿瘍
骨盤痛
不妊症
子宮外妊娠可能性として最も重篤な影響は、命の危険まで発生する感染の浸潤でしょう。
しかし、それ以外の合併症も大変リスクが高く、絶望的な不妊症に陥る可能性があるのです。
先々の後悔を避けるためにも、STD「淋病」には常に万全の備えをするようにして下さい。STD「淋病」の予防
クリニックでは性病の治療ももちろん行っていますが、こうした病気ではかかる前の予防が何より大切となるでしょう。
米国では年間70万人が感染するというほど感染力の高い淋病ですが、淋菌保有者との接触を完全に断つことで予防できます。
淋病はキスだけでも感染しますので、断固として保菌者と接触しないことが唯一の予防方法なのです。
例えいったん治療して淋菌を撃退できたとしても、再び保菌者と触れ合えば再び感染します。そして恐ろしいことに淋菌は薬剤に対する耐性を持ちやすい菌ですので、感染を繰り返せばいずれ薬剤が効かなくなる時が来ると思って下さい。万が一感染が疑われるサインが現れた時には、医療施設でPCR法、SDA法などの遺伝子核酸増幅法で診断を行いましょう。
陽性と出た場合には投薬治療に進むことになるでしょうけれども、耐性の問題が常に付きまといますので、治らない可能性については認識しておく必要があります。-
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